うつ病になっていた時「人に迷惑をかける」その一点だけをずっと考えていた。
努めている会社にも親にも迷惑をかけている。
人に迷惑をかけるぐらいなら死んだ方がいいに決まってる。
親も迷惑をかける存在が消えて喜んでくれる!
生きていても迷惑をかけるだけだ!
消えてなくなりたい!
そうずっと考えていた。
そんな状態で4年程、苦しみながら生きながら、迷惑をかけるとは何なのかについて考え続けていたら、一つの答えにたどり着いた。
人間は自分が楽しんでいる時には人の迷惑なんて考えない
自分が楽しむことよりも人の迷惑ばかりを気にしてしまうことこそがうつ病
じゃないかと。
楽しんでいる間は迷惑なんて気にしない
高校生の頃、夜の9時10時ぐらいまで友達を呼んで家で麻雀をしていた。麻雀をしていた時は楽しかった。楽しいと感じていた。
しかし親や近隣住人は迷惑していたことと思う。
知り合いに同人誌コレクターがいる。集めてる本人は自分の好きなものを集めて、自分の好きなものに囲まれて楽しく幸せに生きている。だが家族からしたら、怪しい如何わしい本ばかり集めている感じているだろう。
いつ頃からか、10月末になると日本ではハロウィンと称したどんちゃん騒ぎが渋谷で開催される。あそこで騒いでる人達はさぞ楽しんでいる。周りの迷惑なんてこと考えたりはしないんだろうさ。
そして一番わかりやすい例えが、イジメだ。
人に迷惑をかけるという行為そのものを楽しむ行為
迷惑をかけている方はさぞ楽しいのであろう。迷惑をかけられている方はたまったもんじゃない。
自分が楽しんでいる限り迷惑をかけても気にならない。これが人間の本質なんじゃないかと
うつ病の正体
迷惑をかけることばかりが気になって自分が楽しいことを楽しめない。
何が楽しいのかわからなくなり、なぜ生きているのかすら分からなくなる。
次第に自分が周りに迷惑をかけているだけなんじゃないかと言う考えに支配される。
最終的には自分が生きていることが許せなくなっていく。
これが俺の体験してきたうつ病という病気の正体だ。
正常な状態の人間は自分が楽しむことに夢中で、誰かに迷惑をかけたかなんてこと考えない。
異常な状態の人間がうつ病患者。異常な状態に陥ると自分が迷惑をかけていることばかりに気が向いていしまい自分が楽しむことを忘れてしまう。
迷惑とは何なのか?
人間が何かしら行動を起こせばプラスの要素とマイナスの要素が発生する。
自分が仕事を頑張り同業社の中で独占状態を築けるまで会社を強くすることができたとする。
そうしたら同業他社が倒産した。失業者が生まれ路頭に迷う人たちが出てきた。
他社で働いてる人達が職を失うとしたらそれは良いことなのか悪いことなのか。
プラスの要素にだけ目を向けたなら自分の勤めてる会社も成長し自分の給料も上がる。
マイナスの要素にだけ目を向けるなら社会に失業者が溢れる。
仕事で大失敗をして、勤めている会社に1億円の損害を出してしまった。
自分がしでかしたことで会社に迷惑をかけてしまったと考えるだろうが、1億円の損害が出たということは、別のどこかの会社に1億円分の仕事が生まれたということだ。
自分が所属しているコミュニティーの中だけで見ればマイナスの要素しかないように感じるが、社会全体で見れば同じ分だけプラスの要素が生まれている。
学校のテストのなんか特にわかりやすい。
自分が頑張って1位をとれば他の誰か2位に蹴落とすことになる。
もし蹴落とした相手が一位を取らなきゃ親に殺されるようなヤバイ家庭の子供だったとしたら、1位を取ることは善か悪か。
楽しむ楽しまないに関わらず、人が生きている限り何かしらの影響を他人に与えてしまう。
どんな影響もプラスの面とマイナスの面が存在している。
そのマイナスの面だけを抽出すると迷惑という概念が生まれる。
自分だけが迷惑を掛けている訳ではないのに…
迷惑をかけるのは人間だけではない。
人間以外でも同じだ。
どんな生物、細菌やウイルス、植物ですら周囲に何かしらの良い影響と悪い影響を与えあっている。
人間社会が競争社会だからという訳ではない。生きている以上仕方のないことなのだ。
それなのに、自分という存在だけが周囲に悪い影響を与えていると思い込む。
自分という存在が消えてしまえば他の全ての人間が幸せになれる。自分は消えた方が良い。
そんなバカげた考えに支配されてしまうのがうつ病の正体だ。
うつ病になったことのない人がこの話を聞いてもバカげているとしか思えないだろう。
だけれども、うつ病になると、本当にこんな考えに支配されてしまう。
どう生きればいいのか?
生きている以上、プラスとマイナスの両方を周囲に与えるならば、どう生きるのが正しいのか?
一つの答えは楽しむことだ。
楽しみ続けている限り自分が与える迷惑なんてものは気にならない。
自分が正しいと感じるものに従うのも良い。
宗教や指導者、思想、政治が正しさを与えてくれるなら、それに従い続けていれば周囲に与えるマイナスの要素、迷惑など考えずにすむ。
最後の答えは受け入れることだ。
生きている以上プラスの要素、マイナスの要素を与えてしまう。
どうしても周囲にマイナスの要素を与えたくない、迷惑を掛けたくないと強く思うのなら、死ぬのが正解だ。実際にそれで死のうとした。
しかし死ねなかった。なので迷惑をかけること、周囲に良い影響悪い影響を与えることを受け入れて生きることにした。
22で大学を出て普通に就職。半年で結果を残したが1年後にうつ病で休職。復職できずに退職。
鬱でずっと死にたいと考えていたが2度の自殺経験と1度バイク事故、合計3度死にかけたことで「死ぬのは難しい」と考えるようになる。「死ねないなら楽しもう」をモットーに後ろ向きなんだか前向きなんだかわからない状態で生きています。