「メンタル度」体温のようにメンタルの状態を推測する
「お母さーん、頭痛い」
小学生低学年くらいまでは、風邪を引いたりインフルエンザになっても「頭が痛い」とか「ゲロ吐きそう」など
体調が良くないということしか分かりません。
中学生になると
「メッチャ頭痛いし身体がダルイ。学校でインフルエンザが流行ってるから俺もインフルっぽいなぁ…」
「この体のダルさと頭痛からして38.5度くらい熱がありそうだなぁ…」
という風に、経験則で病症や体温を推測できるようになりますよね。
それと同じことをメンタルの状態に当てはめて私は実践しています。
目次
うつ病には好調不調の波がある
うつ病の頃はずっと調子が悪いわけではなく、時々調子が良い時があります。
買い物に行かなきゃいけないのに辛くてベッドから出れない日もあれば、バイクに跨がり遊びに行ける日もあったりと、メンタルの状態に不調と好調の波がありました。
最初はその波を自覚できませんでした。
調子が良い時に治ったと勘違いして無理をする。その結果うつ病の症状が悪化する。
そんなことを何度も何度も繰り返していました。
うつ病を発症して3年ほど経った頃、ようやくメンタルの状態には波があることを自覚し始めました。
「このまま繰り返しても良くはならない。何かいい方法はないか?」と考え、変化を繰り返す自分のメンタルの状態をどうにか観測できないかと2年ほど前から検証するように。
そして約1年トレーニングを積んだ結果、メンタルの状態に振り回されるのではなくメンタルの状態を自覚し対処する術を手に入れました。
・今すごくモヤモヤしてる。なにか本でも読むか
・何故かわからないがものすごいイライラする。カラオケで大声出してすっきりしてこよう!
・よくわからないけど辛い涙が止まらない…ベッドで横になってスマホで動画でも見ながらゴロゴロして過ごそう
・落ち込んで何もやる気が起きない…別に急いで何かやる必要もないゴロゴロしよう。できることだけやろう。すみっこの掃除とかするとスッキリするかもしれない
・死にたい消えてなくなりたい。死にたいと考えるのは一過性のものだから治まるまでゴロゴロしよう。治るまでは何をしても疲れるだけ、寝るのが一番
不調を自覚し対応できるようになったことで、だいぶ心に余裕が生まれてうつ病も改善されたと感じています。
メンタル度
はじめの頃はメンタルの状態を0〜100%で判断しようと試みていました。
ですが、0~100の100段階評価で判断するのは失敗でした。
「昨日はちょっと調子がいいから60%、けど今日は50%くらいかな?」
その10%の差でどれくらい状態が違うのか?
「昨日ずっと死にたいと考えていたから10%、今日は辛いけど死にたいとは考えないから18%」
8%の差で生き死にが決まるのか?
こんな具合に100段階評価だと差がわかりにくく、むしろ状態を把握するのが難しくなりモヤモヤを募らせるだけになっていました。
それから何かしっくりくる物はないかと考え続けたところ、身体の状態と強い関係のある体温をモデルにメンタルの状態を測定することを思いつき実践し始めました。
メンタル度 体温のようにメンタルの状態を測定する |
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メンタル 度 |
メンタルの状態 |
できること(けのこ君の場合) |
36度 |
平常 調子が良い |
何も問題なく活動できる 遊び、仕事、人と会う、etc… |
37度 |
疲れてる やる気が出ない おっくう |
家事や仕事はこなせる 遊んだり人と会えば楽しいと感じられる ちょっとイライラしやすい |
38度 |
辛いけど頑張れば動ける 常にイライラ |
頑張れば仕事できる 遊ぶよりは休息したい、寝てたい できれば人と会いたくない |
39度 |
うつ状態、動けない 強い焦燥感 強い苛立ち |
仕事でミスが多発、仕事にならないと感じる 自分はダメな人間だ、なんとかしなきゃと焦る 家事も手につかない。横になっていたい |
40度 以上 |
涙が止まらない 生きてて辛い 死にたい消えたい |
仕事なんて出来るわけがない 自分が生きていて周囲に迷惑をかけるなら、 死んだ方が良いと感じる。生き地獄 |
健康な状態を36度として、数字が増えるほど状態が悪くなります。
人間の健康状態と直結している体温をモチーフにして馴染みやすくなり、36~40の5段階にしたことで差が分かりやすくなりました。
今日は調子が良いからメンタル度36度だ!今日は好きなことして過ごそう!
昨日の疲れが残ってるからかメンタル度は37度くらいかな~家でゴロゴロするか~
ヤバイつらい。39度。二度寝して38度になったら家事してまた寝る。
死にたい。40度。寝る。
こんな風にメンタルの状態を自覚して、無理をしすぎないように日々を過ごしています。
実生活の中でメンタル度を測る(実践編)
私が実践している方法を紹介します。
実生活の中で、家事、食事、買い物、睡眠時間、パソコンやスマホ、好きなことを楽しめているか等からメンタル度を測定しています。
洗ってない食器の枚数
調子が悪い状態が続くと家事をする気にならず、洗い物が溜まっていってしまいます。メンタル度が39度を越えた状態の時には「洗い物しなきゃ…」とは思っているのにベッドから起き上がることが出来ず、涙で枕を濡らすだけになってしまうこともありました。
溜まっている洗濯物
調子が悪いと洗濯物をするのも一苦労です。後回し後回しにしてしまい、1度に洗える量を超えてしまうほどに洗濯物が溜まってしまうこともあります。
間食の量
私の場合イライラしていると自然とチョコレートやかりんとうなど甘いお菓子を食べる量が多くなります。
ここで大切なのは、甘いものを禁止することではなく
「甘いものを食べようとしているからメンタル度が37くらいなのかなぁ・・・」という風に客観的に考えることです。甘いものを欲しているのに無理に我慢しようとするほうが逆効果になると感じています。
買い物
メンタルの調子が良くないときは決断力が鈍るので朝、昼、晩の食事を決めるのも大変です。
優柔不断というか決断力を失ってしまい、買い物に行っても何を買えばいいのかわからなくなってしまいます。家事をする気力も失ってしまうので、料理をするのもおっくうです。
甘いものが食べたくなる影響も合わせて買い物に行くと 甘いものばっかり買ってしまいます。
メンタル度が三十八度を越えて動けない日が何日か続いくと、家の中にお菓子しか食べる物がないという状況になってしまうことも。
睡眠時間
基本的に睡眠時間が短い日が続くとメンタル度が37,38,39と上昇していくのを自覚できます。
ですが5時間程度しか寝てないのに、すごく活発に動ける日もあります。躁状態ですね。
そういう日が2、3日続いた後は必ずメンタルが悪化して1日中寝る日が来ます。 人間無理は続かず、無限に動くことなんてできないということですね。
私の場合は、毎日規則正しく7時間寝れば元気!というタイプではないと自覚しています。疲れやすい体質なので、疲れているときは長時間寝て体力を回復させています。
PCやスマホで開いているページの量
後で見よう、いつか使うだろうと思ってパソコンやスマホのブラウザのページを開きっぱなして、ウィンドウやタブが増えてる時メンタルの調子が悪いなと判断しています。
調子がいいときの開いてるページは多くて5ページくらいですが、調子が悪い時は後で見よう、後で見ようとページを開きっぱなしにして放置してしまいます。
判断が鈍り優柔不断になるのが原因です。後で見ようと思った動画サイト、しばらく遊んでないゲームの攻略サイト、面白いと思ったブログなどのページを開いたままにしたりしているせいでタブが増えパソコンが重くなっていきます。
うつ病が一番酷かった時期は一つのウインドウにタブが30個以上、それを7つくらい開いていました。もはやページタイトルも見えません。もちろんパソコンは激重です。
ゲーム、カラオケ、読書
趣味のゲーム、カラオケ、読書をしていてもイライラして楽しめないときがあります。カラオケの場合はイライラを発散できますが、読書だと全く集中できず頭に入ってきませんし、ゲームの場合はイライラしていると楽しめず、ますますイライラしてしまう時は最悪です。
特に対戦ゲームは良くありません。ブチギレて画面に向かって怒鳴り散らして、もっと酷くなると家具を殴ったりと暴走してしまいます。悪い癖です。
イライラしているときは対戦ゲームは厳禁なのですが、そんなときに限って熱くなってしまい途中でやめることができなくなってしまいます。
使用上の注意
どんなに調子が良いと感じていても36度より数字は減らしません。
躁状態に入ってなんかメチャクチャ調子がいいと感じる日がたまーにありますが、それも36度に含みます。
メチャクチャ調子が良いと感じる日があっても次の日か、その次の日かわかりませんが確実に調子が悪くなる日がきます。
それを忘れないように躁状態も36度に含み、波があることを忘れないように自分を戒めます。
うつ病をほとんど克服した今でも強い自殺願望、メンタル度で表せば40度以上の状態になることが時々あります。
・イライラして集中できない
・悲しいことがある訳でもないのに涙が止まらない
・落ち込んで何もやる気が出ない
・自分が情けなくて仕方がない
・自分が生きていても意味がないと感じる
・いっそ死んでしまえばいいんじゃないか
こんな考えに支配されてしまう日もたまーにあります。
しかし、これは不調の波の中で一番悪い状態に過ぎません。
どうしようもなく辛い日が何日も続いたとしても、そのうち良くなります。メンタル度で言えば38度37度と下がっていきます。
死にたいと思うことは一過性の感情に過ぎない。そのうち良くなり死にたいとは考えなくなる。
波があると自覚できるようになれば、こんな風に余裕を持って考えられるようになります。
大体で把握すればよい
几帳面な方だと、例えば洗っていない食器の枚数をチェックリストにして加点式でメンタルの状態を把握しようとしたりしますが、そんなことせずに大体で把握できれば良いです。
実際の体温で「平熱の36.3度に加えて頭が痛いから+1度、寒気がするから+1.2度で今の体温は38.5度だ!」と予想はしませんよね。
それと、メンタル度は1日の間にコロコロ変わることも多いです。日内変動と呼ばれるものですね。
体温の場合一日の中で36度から38度まで上がったり下がったりしたら、何かヤバイ病気かもしれません。もしくは仮病です。
メンタル度の場合「今日は38度だから元気がない」という日でも何かのキッカケで36.5度くらいまで回復することもありますし、逆に調子が良いと感じている日でも、悪いキッカケ一つで急激に悪化することもあります。
大事なのは「調子が良い時も悪い時もあるさ」と受け入れた考え方ができるようになること。
「今は調子が悪くてもそのうち良くなる」と楽観視できるようになれば大丈夫です。
22で大学を出て普通に就職。半年で結果を残したが1年後にうつ病で休職。復職できずに退職。
鬱でずっと死にたいと考えていたが2度の自殺経験と1度バイク事故、合計3度死にかけたことで「死ぬのは難しい」と考えるようになる。「死ねないなら楽しもう」をモットーに後ろ向きなんだか前向きなんだかわからない状態で生きています。